妻が交通事故で後遺障害に…夫も慰謝料請求できるもの?

交通事故に限らず、他人から何らかの侵害を受け、被害を受けたというとき、被害者本人は治療費や物品の修理、弁償などに加え、精神的苦痛に対して慰謝料を請求できる場合があります。
また、万が一、被害者が死亡した場合には、被害者自身の精神的苦痛の判断はできませんので、被害者の家族、近親者に慰謝料請求権が認められています。この場合は、家族や近親者自身に肉体的、財産的な被害がなくても認められます。ただし、法律の条文上は被害者が生命を侵害されたときに認められるとなっています。
それでは、妻が交通事故で後遺症による障害が残った場合はまったく認められないかというと、そうではありません。過去の裁判例では死亡に匹敵する程の精神的苦痛を家族や近親者が受けた場合に、慰謝料請求が認められています。この場合は、被害者の後遺障害が相当程度のものであり、それについて家族、近親者が精神的苦痛を受けたことが裁判所で認定されたときです。
これまでに認められた例の中には、後遺症が重度のものであり、自立した生活が困難な場合などがあります。後遺障害に関しては、個々に状況が異なりますので、まずは等級の認定を受けることになります。障害の程度については、まず医師に診断書を作成してもらい、それを保険会社に提出します。その後保険会社から損害調査事務所に送られ、そこで調査、認定が行われます。このような流れで等級が決まりますが、その結果に不服の場合は異議申立てもできることになっています。
後遺障害の程度や、家族、親近者の精神的苦痛がどのようなものかということは当事者、当事家族等で異なります。等級認定までの手続きも含めて弁護士等に相談するのも選択肢のひとつになると言えるでしょう。

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